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校正って何?

校正って何? 印刷物の品質を左右する最終チェック

美しいデザインのポスターが完成したら、いよいよ印刷! とその前に、忘れてはいけない大切な工程があります。それが「校正」です。


校正とは、印刷物になる前の原稿(データ)に間違いがないかをチェックする作業のこと。誤字脱字やレイアウトのずれ、色の見え方など、さまざまな項目を確認し、印刷物の品質を確保するために欠かせないプロセスです。


「デザインソフト上で完璧に見えるから大丈夫」と思いがちですが、印刷物として仕上がったときに思わぬトラブルが発生することが少なくありません。校正を怠ると、せっかくのポスターが台無しになってしまう可能性もあります。注意が必要です。


ポスターチャンネルは、オンデマンド印刷のため1枚からでも価格が発生します。そのため、色校正を行う際、その出力分の価格が発生いたします。また文字校正は行なっておりません。そのため、今回は、入稿前に重要な校正について解説いたします。

なぜ校正が重要なのか?

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校正がなぜそんなに重要なのでしょうか。その理由は、以下の3つのポイントに集約されます。


1.信頼性の維持
ポスターに誤字や脱字があると、見る人に「この会社は仕事が雑だな」という印象を与え、信頼を損なう可能性があります。特に、会社名や商品名、金額、連絡先などに間違いがあった場合、大きな問題に発展しかねません。

2.ブランドイメージの保護
デザインや写真がどんなに魅力的でも、色味が意図したものと違っていたり、文字が読みにくかったりすると、ブランドイメージを損ないます。ブランドの持つ価値を正確に伝えるためにも、最終的な仕上がりをきちんと確認することが大切です。


3.コストと時間の節約
印刷後に間違いが見つかると、再印刷が必要になります。これには余分なコストがかかるだけでなく、納期が遅れてしまうというリスクも伴います。最初にしっかり校正を行うことで、こうした無駄な出費や時間を防ぐことができます。

ポスター印刷における校正の種類

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校正にはいくつかの種類があり、それぞれチェックするポイントが異なります。ポスター印刷の際に特に重要となる校正の種類を見ていきましょう。


1. 文字校正(ゲラ校正)


これは、文章の誤字脱字、表記の揺れ(例:「ポスター」と「ポスタ」など)、句読点の使い方、約物(記号)の抜けなどをチェックする作業です。

・誤字脱字のチェック
文章を頭から読んでいくだけでなく、後ろから読んでいく、声に出して読む、他人に読んでもらうなど、様々な方法でチェックすると間違いを見つけやすくなります。筆者も以前、とあるメーカーのキャンペーン応募要項の文章を作成していました。入稿前には、複数人で読み合わせて、チェックします。


・表記の統一
同じ単語や専門用語が、一つのポスターの中で複数の表記で使われていないかを確認します。例:「いたします。」と「致します。」、「Web」と「ウェブ」など。


・事実確認
掲載されている情報(価格、日付、連絡先など)が正しいか、根拠となる情報と照らし合わせて確認します。


さらに言えば、表記に差別的用語が含まれていないか、優良誤認になっていないかなど。


2. 色校正


・モニターの色と印刷の色
パソコンのモニターはRGB(光の三原色)で色を表現しますが、印刷はCMYK(色の三原色)で色を表現します。この根本的な違いにより、モニターで見た色が印刷物で完全に再現されるとは限りません。RGB印刷に対応はしていますが、擬似表現となるため、限度はあります。特に鮮やかな蛍光色などは、印刷ではくすんで見えます。


・色校正の方法
色校正には、本番と同じ用紙と印刷機を使って刷る「本機校正」や、色調整された専用のプリンターで出力する「簡易校正」などがあります。本機校正が最も正確な色を確認できますが、コストと時間がかかります。(主にオフセット印刷に対しての場合です。)
※ポスターチャンネルの場合、色校正を行う場合、用紙サイズ分の料金が発生します。


3. レイアウト校正


・トンボ(トリムマーク)と仕上がりサイズの確認
ポスターの端にデザインが切れていないか、仕上がりサイズから文字やロゴがはみ出していないかなどを確認します。


・フォントの確認
使用しているフォントが正しく表示されているか、文字化けやレイアウトの崩れがないかを確認します。
※2025年7月〜、Adobe Illustrator2025で、フォントが勝手に変更される事象があります。


・画像解像度の確認
使用している画像の解像度が低すぎると、印刷したときにぼやけて見えたり、ギザギザになったりします。印刷に適した解像度(一般的に300dpi以上)になっているか確認しましょう。モニターの解像度は72ppiのため、気づかない事が多いです。


・画像の確認
画像やイラストの版権、左右を反転したデザインには注意しましょう。無断で画像を使用して印刷後に問題となる事があります。また、画像を反転して使用して問題となるケースがあります(例えば利き腕が変わる、車の車線が左から右に変わるなど)。デザイナーしか分からないケースもあります。


・塗り足しと安全領域の確認
印刷物を裁断する際、ごくわずかなズレが生じることがあります。そのため、仕上がり線ギリギリまでデザインを配置せず、外側に「塗り足し」を設けたり、内側に「安全領域」を設けて重要な要素を配置したりする必要があります。これらが正しく設定されているか確認しましょう。

ポスターチャンネルをご利用のお客様へ

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ポスターチャンネルでは、お客様にご入稿いただいたデータをそのまま印刷するオンデマンド印刷を採用しています。これにより、低コストかつスピーディーな印刷を実現しています。


しかし、その特性上、お客様ご自身で色校正や文字校正を行っていただくことが前提となります。入稿されたデータは、印刷に適した形式であるかどうかのチェックは行いますが、デザイン内容のチェック(誤字脱字、色の再現性など)は行っておりません。

お客様ご自身で校正を行う際は、以下のポイントを必ずご確認ください。


1.データの最終確認
入稿前に、文字の誤り、情報の誤り、デザインの崩れがないかを複数人でチェックしましょう。


2.色味の確認
ポスターチャンネルの印刷は、一般的なオフセット印刷とは色味に若干の違いが生じることがあります。 主に彩度が上がり鮮やかになります。


3.塗り足しと安全領域の確認
ポスターチャンネルのテンプレートをご利用いただくことで、これらの設定を確実に行うことができます。


印刷物の最終的な品質は、お客様の校正にかかっています。色味に関しては、先に最小サイズのA3で印刷をご注文(有償)いただご確認いただく事で対応可能です。 校正は重要ではありますが、ついつい疎かになりがちです。しかし手間を惜しまず、しっかりと最終チェックを行うことで、最高のポスターが完成します。


結論:カンプ(見本)を添付しましょう

以上の事から、カンプ(見本)は入稿の際、思わぬ事故を防ぐために添付をお願いしています。入稿データだけでは、正確に情報を伝えきれない場合もあります。カンプ(見本)があれば想定外の事故も防ぐ確率も上がります。
但し、入稿データ・カンプの両方とも間違えていた場合は事故を防ぐ事はできません。そのために、入稿前のセルフチェックまたは、2人以上のチェックも行う事を推奨いたします。