インクの特徴 溶剤/水性顔料
溶剤インクと水性顔料インクの
違いとは?
溶剤インクと水性顔料インクは、インクジェットプリンターでよく使用される2種類のインクです。
いずれもとても発色が良く、ポスターチャンネルでも、この2種類を印刷で使用しています。
それぞれ異なる特性を持つため、用途や目的に合わせて使い分けています。
今回、その使い分けと、溶剤インクと水性顔料インクはどのようなものかを解説いたします。
溶剤インクとは?
まず、主な成分は有機溶剤で、顔料を溶かして使用します。揮発性があり、乾燥すると固体化します。
溶剤インクにも種類があり、ポスターチャンネルの場合、「低溶剤エコソルベントインク」を用いています。耐久性と速乾性に優れる「ミルドソルベントインク」もありますが、においと有害性(ニッケル化合物等)が強いため、「低溶剤エコソルベントインク」を採用しています。
水性顔料インクとは?
主な成分は水で、顔料を分散させて使用します。
水性なので、乾燥しても固体化せず、水で溶け出します。
水性顔料インクは、水性インクの一種で、顔料と呼ばれる微細な粒子を水に分散させて作られています。染料インクとは異なり、顔料は水に溶けず、紙の表面に沈着します。
有害性については、主な成分は水であり、揮発性の高い有機溶剤は含まれていません。乾燥は、水の蒸発によって行われます。安全性の高いインクです。
色や発色についての違いとは?
溶剤インク:染料インクのように溶剤に溶けるのではなく、顔料が粒子状のまま存在するため、鮮明で高精細な発色を実現します。光沢があり、写真やイラストなど、鮮やかな色彩表現に適しています。
水性顔料インク:溶剤インクに比べて、発色がやや劣ります。光沢は控えめですが、落ち着いた色合いを出すことができます。
耐久性の違いは?
溶剤インク:顔料が紙に染み込むため、水性インクに比べて耐水性、耐光性に優れています。
長期間の色あせや劣化を防ぎ、屋外での使用にも適しています。
水性顔料インク:水性なので、水濡れや摩擦に弱いです。
屋外での使用には不向きですが、光沢を抑えた落ち着いた色合いは、長期間の色褪せが目立ちにくいというメリットがあります。
用途・使い分けについては?
ポスターチャンネルでは、インクを以下のように使い分けをしています。
溶剤インク:塩ビシート(シール印刷・パネル印刷)とターポリンポスターに使用しています。いずれも「紙素材」ではない商品に使用しています。ターポリンポスター以外では、ラミネート加工を行っています。
水性顔料インク:マット紙、光沢紙、半光沢紙と「紙素材」と合成紙に使用しています。ラミネート加工を行っていますが、ラミネート加工をしない事もできます。
まとめ
ポスターチャンネルでは、商品によってインクを使い分けています。元となる媒体(素材)の特性による使い分けです。「紙素材」に溶剤インクも使えますが、インクが多少にじんだりしますので水性顔料インクを使用しています。
また、2つのインクの大きな違いは乾燥の早さです。溶剤インクは上記の説明の通り、揮発性が高く、乾くのが早いです。逆に水性顔料インクは、水が主原料のため乾燥に時間がかかります。
インクジェット印刷のインクはいずれもオフセット印刷に比べて、発色性が高いのが特徴です。10色インクによる色の再現度が違います。鮮やかさを求めたデザインや写真に最適なのがポイントです。