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印刷インクの種類を解説

代表的なインクの種類の紹介

印刷インクは、その種類によって仕上がりや用途が異なります。ここでは、そのインクの代表的なものをご紹介します。印刷のインクとなりますので、ペンキなどの塗装・塗料とは別となります。

水性顔料インク

水性顔料インク

ポスターチャンネルでは、主に紙媒体のポスターに「水性顔料インク」を使用しています。このインクは耐水性と耐久性に優れ、発色が鮮やかで細かいディテールを表現するのに適しています。
顔料インクは水分が乾くと色素が紙の表面に定着するため、長期間にわたって色褪せしにくく、屋内外問わず安定した仕上がりを期待できます。
ポスターチャンネルでは、10色インクを使用しているため、より洗練された色彩表現ができます。

溶剤インク

溶剤インク

パネルやシール(塩ビシート)や合成紙、ターポリンポスターなど純粋な紙ではない石油由来の樹脂素材には「溶剤インク」が使われます。 溶剤インクは耐候性が高く、雨や日光による劣化に強いため、屋外での使用にも適しています。溶剤が揮発するとインクが固まり、樹脂やビニール素材にしっかりと密着します。 これにより、屋外の塩ビシートの看板やターポリン生地など、耐久性を求められる用途でよく使用されます。
ただ、溶剤を揮発する際のニオイが強く、乾くまで数日必要となります。

水性染料インク

顔料インクと異なり、水溶性の色素が含まれたインクです。染料が水中に分子レベルで溶け込むため、耐水性は低く、水が付着するとにじんだりしてしまいます。 ただ、印刷時にニオイや環境負荷が少なく、短期間使用のポスターや屋内の装飾に適しています。水性インクはコストも低いため、大量に印刷する際に重宝されますが、耐久性は劣ります。

ラテックスインク

近年注目されている「ラテックスインク」は、環境に優しい水性インクの一種です。ラテックスという特殊なポリマーを使い、耐候性と柔軟性に優れています。 ポリマー層が乾燥時にフィルム状となり、インクが基材にしっかりと密着します。これにより、環境への影響が少なく、耐久性もあり、屋内外で幅広く使用可能です。ポスターチャンネルでも導入を検討しているインクです。

UV硬化インク

「UVフラットベッドプリンター」で使用され、紫外線(UV)によってインクが硬化し媒体に付着するインクとなります。この方式は、紙だけでなく、アクリル板や金属、ガラスなど、さまざまな素材に直接印刷が可能です。 インクが硬化するため、乾燥時間が不要で、高速印刷ができることも魅力です。立体物にも印刷できるため、パネルやディスプレイなどに利用されます。

オフセット印刷のインク

オフセット印刷では、油性インクが一般的です。顔料、樹脂、油分と補助剤で組成されたインクです。 オフセット印刷は1,000枚以上の大量印刷に適しており、紙にインクを転写する際に高精度なカラー再現が可能です。耐久性も高く、パンフレットや雑誌などの商業印刷で広く使用されています。

特色インク(DICカラー、PANTONE)

オフセット印刷や高品質な印刷では、DICやPANTONEなどの「特色インク」が使われることがあります。 これらは、特定の色を正確に再現するために調合されたカスタムカラーで、企業のロゴやブランドカラーを忠実に表現するために利用されます。 標準的なプロセスカラー(CMYK)では再現できない鮮やかな色やメタリックカラーを出す際に重宝されます。

トナー式(プロダクションプリンター)

プロダクションプリンターでは「トナー」を使用します。トナーは粉状のインクで、静電気を利用して紙に付着させ、シリコンを用いて定着させる方式です。 オンデマンド印刷機の一種で、レーザープリンターでも使われており、スピードと精度が求められる商業印刷に適しています。 トナーは色の再現性が高く、短納期の数百枚ほどの印刷にも対応できるのが特徴です。大判は無く、A3サイズまでが一般的です。オフィスにあるデジタル複合機は、ほぼトナー式ですね。

まとめ

インクの種類は、素材や用途に応じて適切に選ぶことが重要です。ポスターチャンネルでは、ポスターに最適な「水性顔料インク」、パネルやシールのメディア(媒体)である塩ビシートに最適な「溶剤インク」を使用し、印刷物に高い耐久性と美しい発色を提供しています。

オンデマンド印刷の場合、他にも布に適した「昇華インク」があります。また、オンデマンド印刷、オフセット印刷とは別に「シルク印刷」(シルクスクリーンインキ)もありますが今回は割愛します。

各インクの特性を理解することで、より効果的な印刷が可能になる事でしょう。