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思い通りの色の解説

「美麗印刷」を分かりやすく「思い通りの色」に

ポスターチャンネルでは、サイト開設以来、色の再現性について「美麗印刷」と表現してきました。し かし、「美麗印刷」という言葉は、お客様にとって少し抽象的で分かりにくいかもしれません。そこで、 当サイトはより具体的で分かりやすい表現として、「思い通りの色」という言葉を使うことにしました。

「思い通りの色」とは、お客様がイメージした色を、限りなく忠実に再現することを目指す、ポスター チャンネルの印刷技術の核心を表す言葉です。長年培ってきた独自の技術と、最新の印刷機材、そして 熟練したスタッフの知識と経験によって、私たちはこの「思い通りの色」を追求しています。

今回の記事では、ポスターチャンネルがどのようにして「思い通りの色」を実現しているのか、その独 自の技術を詳しく解説いたします。常設ページに記載されている内容をさらに掘り下げ、お客様がより 深く理解できるように、具体的な事例や技術的な背景を交えながらご紹介していきます。

[思い通りの色]10色インクで色域のカバー率がUP

ポスターチャンネルでは、用途に合わせて2種類のインクジェットプリンターを使用しています。紙媒体への印刷には「水性顔料インク」を、パネルやシール、ホログラムなどの特殊素材への印刷には「溶剤インク」を使用しています。

これらの印刷機は、どちらも10色インクに対応していますが、インクの種類はそれぞれ異なります。これは、インクと素材の組み合わせによって最適な色再現を実現するための、メーカーであるEPSON社の技術的な選択です。

「水性顔料インク」には、EPSON社独自の「UltraChrome Proインク」が使用されており、深みのある黒と豊かな色彩表現が特徴です。一方、「溶剤インク」には、「Ultra Chrome GS3インク with REDインク」が使用されており、耐候性に優れ、屋外での使用にも適しています。

10色インクを使用することで、従来のCMYK印刷では再現が難しかった、微妙な色のニュアンスや鮮やかな色彩を表現できるようになりました。特に、オレンジやレッドなど、従来は掛け合わせで表現していた色も、専用のインクを使用することで、より正確に、そして鮮やかに再現できます。

また、10色インクによって色域のカバー率(表現できる色の範囲)が広がり、オフセット印刷に比べ、発色や色の掛け合わせの「くすみ」を軽減し、「思い通りの色」をより忠実に再現することが可能になりました。

[思い通りの色]マルチサイズドットテクノロジー効果

インクジェットプリンターの画質を左右する重要な要素の一つに、インク滴の制御技術があります。ポスターチャンネルが導入しているEPSON社のインクジェットプリンターには、「マルチサイズドットテクノロジー(MSDT)」という独自の技術が搭載されています。

MSDTとは、1つのノズルから吐出するインク滴の量を、電圧によって細かくコントロールする技術です。これにより、粒状感を抑えた滑らかなグラデーションや、繊細な明るさの変化を表現することができます。

従来のインクジェットプリンターでは、グラデーション部分に色の階調のムラが発生しやすいという課題がありました。しかし、MSDTによってインク滴の量を緻密に制御することで、この問題を解決し、より滑らかで美しいグラデーション表現を可能にしました。

また、MSDTは、高速印刷と高画質を両立させるという点でも優れています。インク滴の量を最適にコントロールすることで、印刷速度を落とすことなく、高精細な画像を出力できます。

[思い通りの色]EPSON社 独自のカラープロファイル

ポスターチャンネルで使用しているインクジェットプリンター(SureColor SC-S80650)は、EPSON社独自のカラープロファイル設定に対応しています。カラープロファイルとは、印刷データの色情報を、プリンターが再現できる色域に変換するための設定です。

溶剤インクを使用する場合、「Epson Wide CMYK Input Profile」というカラープロファイルを使用します。このプロファイルは、色再現領域を広げるように設計されており、鮮やかな色彩表現を可能にします。

一方、水性顔料インクを使用する場合は、「Japan Color 2001 Coated」というカラープロファイルを使用します。こちらは、CMYK印刷における標準的なプロファイルであり、安定した色再現を実現します。

これらのカラープロファイルは、いずれもCMYKを基準としていますが、10色インクを使用することで、CMYKでは表現できない色域をカバーし、より幅広い色の表現を可能にしています。

[思い通りの色]RGB印刷への対応

ポスターチャンネルでは、RGB形式の入稿データにも対応しています。RGBデータは、モニターで表示される色情報であり、CMYKデータよりも広い色域を持っています。

10色インクを使用することで、RGBデータをCMYKに変換する際に、より多くの色情報を保持したまま印刷できるようになりました。これにより、モニターで見た色に近い、鮮やかな印刷結果を得ることができます。

RGB印刷に対応する上で、ポスターチャンネルでは以下の2つの点が特徴となっています。

1.「10色カラーインク」
10色インクを使用することで、RGBカラーの色域を最大限に活用し、より鮮やかな印刷を実現します。

2.「カラーマネジメントシステム」
RGBデータをインクジェットプリンターに出力する際に、「マニュアル色補正(ドライバーによる色補正)」や「オートフォトファイン」などのカラーマネジメントシステムを使用し、最適な色変換を行います。

ただし、RGB印刷には注意点もあります。印刷可能な色域を超えるような、蛍光色などの極端に鮮やかな色は、CMYKに変換する際に、明度や彩度が変化してしまう可能性があります。

[思い通りの色]PANTONEカラーへの対応

ポスターチャンネルの印刷機には、PANTONEカラーを高い精度で、近似色として再現する機能が搭載されています。PANTONEカラーとは、オフセット印刷などで使用される、特色インクの色指定システムです。

通常、PANTONEカラーをインクジェットプリンターで再現する場合、CMYKに変換する必要があり、色の再現精度が低下してしまうことがあります。しかし、ポスターチャンネルの印刷機では、PANTONEカラーの近似色を94%以上の精度で再現できます。

これにより、オフセット印刷のような大量印刷でなくても、小ロットでPANTONEカラーを再現した印刷が可能になりました。ただし、蛍光色や金・銀などの特殊な色、および一部の高彩度のPANTONEカラーには対応していません。

[思い通りの色]まとめ

ポスターチャンネルでは、10色インク、MSDT、独自のカラープロファイル、RGB印刷への対応、PANTONEカラーへの対応など、様々な技術と工夫によって、「思い通りの色」を追求しています。

これらの技術により、ポスターチャンネルのインクジェット印刷機は、高い色再現性を実現し、お客様のイメージを忠実に再現するのに適していると言えるでしょう。

ただし、オンデマンド印刷の特性上、カラー校正の出力サービスは提供しておりません。カラー校正が必要な場合は、お手数ですが、原寸または縮小版でのご注文をお願いいたします。

ポスターチャンネルは、これからもお客様の「思い通りの色」を実現するために、技術の向上とサービスの充実に努めてまいります。