カラープロファイルについて
画面や印刷に影響する重要なプロファイル
「プロファイル」とはプロフィールの意味で、「輪郭」や「略歴」を指します。「カラープロファイル」の意味としては「色」のプロフィール情報(この場合は管理情報ですね)、をデバイス、機器ごとに同じ設定に保つためのファイルです。国際基準もあれば、メーカー独自のものまで様々です。「色空間」とも表現します。
ディスプレイや印刷物における色の再現方法を決定するため、適切なプロファイルを使用することで、デザインの意図するカラーを正確に伝えることができます。
ディスプレイでは「RGB」の、印刷では「CMYK」のそれぞれ別のカラープロファイルが存在し、人工物のカラーでは、概ね関係していると思われます。
今回は、それぞれの代表的なカラープロファイルを解説いたします。
RGBのカラープロファイル
RGBは、デジタルディスプレイ用の色空間で、レッド、グリーン、ブルーの3色を基に色を表現します(光の三原色)。ウェブやモニター表示で一般的に使用されるRGBには、次のようなプロファイルがあります。
sRGB(IECの国際規格)
デジタル機器で最も広く使用される標準的なカラープロファイルです。多くのデバイスやウェブコンテンツで採用されており、色の再現が安定しています。もっともスタンダードな設定となります。しかし、色域は下記のものより狭く、色相によってはトーンジャンプも発生する事も。
Adobe RGB
sRGBよりも広い色域を持ち、より豊かな色を再現することが可能です。主にプロフェッショナルなデザインや写真の現場で利用されます。「sRGB」ほどではありませんが、多く使われているプロファイルです。
image P3
Apple製品の「iPhone」や「iMac」で採用されている広色域のRGBプロファイルで、色の鮮やかさをさらに向上させています。映画やビデオ制作などのクリエイティブな分野でよく利用されます。
ProPhotoRGB
写真や映画・ビデオ制作などの最高峰の広域をもつプロファイルです。ディスプレイの色域より広く、緑(G)から青(B)までの範囲の広さは秀逸です。ただ、筆者は使った事はありません。
CMYKのカラープロファイル
CMYKは、印刷用の色空間で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を基にして色を再現します。日本国内でよく使用されるCMYKのプロファイルとしては、次の2つがあります。
Japan Color 2001 Coated
日本の印刷業界で標準的に使用されているカラープロファイルの1つです。主にコート紙(つやのある紙)を対象にしており、色の正確な再現が求められる印刷物でよく使われます。
Japan Color 2011 Coated
さらに精度が高められたバージョンで、最新の印刷技術に対応しています。これも主にコート紙に使用されるプロファイルです。
日本では、主に上記2つのプロファイルがありますが、概ね「Japan Color 2001 Coated」が主流となっています。
ポスターチャンネルにおいてプロファイルは下記となります。
溶剤プリンター=「Epson Wide CMYK Input Profile」
エプソン独自のカラープロファイルです。10色インクを使用しているため、このプロファイルに置き換えられます。
水性顔料プリンター=「Japan Color 2001 Coated」
同じく10色インクではありますが、プロファイルは標準の「Japan Color 2001 Coated」で対応可能します。
ポスターチャンネルの印刷特性
ポスターチャンネルのオンデマンド印刷では、RGB色空間を擬似的に近づけて印刷が可能です。10色インクによる色域のカバー率が優れているからです。しかし、印刷機の限界明度・彩度を越える「色空間」では色味が落ちます。また、色相も少し変わるリスクがあります。光自体を印刷出来ないのと同じですね。
ただ、従来のオフセット印刷に比べて、RGBでの印刷は色相領域(カバー範囲)が広いため、より鮮やかな色再現が可能です。このため、ポスターチャンネルではデジタルデータの印刷において、「RGB印刷」と表現しています。デジタルカメラやスマホで撮影した画像(RGB)の印刷も十分なクオリティーとなります。
まとめ
色彩の正確な再現には、適切なカラープロファイルの選択が欠かせません。ポスターチャンネルでは、RGBでは、「sRGB」を。CMYKでは、「Japan Color 2001 Coated」としてください。iPhoneやiPadで撮影された場合、「image P3」となりますが、印刷時は「sRGB」に変換されます。
Adobe Illustratorでも、「sRGB」と「Japan Color 2001 Coated」がデフォルトの設定となっています。